「PBRレンディングって年利12%もあるけど、怪しくないの?」「詐欺だったらどうしよう」——検索するとこんな声がたくさん出てきます。国内の取引所のレンディングが年率数%なので、10〜12%という数字に身構えるのは自然なことだと思います。
この記事では、PBRレンディング(PBR LENDING)の仕組みと年利の出どころ、「怪しい」と言われる理由、そして利用前に知っておきたいリスクを、公式サイトと利用約款をもとに正直にまとめました。
先に結論をお伝えすると、公開されている情報から「詐欺」と言える根拠は見当たりません。一方で、元本(貸した枚数)の返還を守る信託保全はなく、運営会社が破綻すれば戻らない可能性があるサービスです。「高い利率の代わりに、運営会社を信用して暗号資産を貸す」ものだと理解したうえで、なくなっても生活に困らない範囲で使うのが前提になります。
PBRレンディング(PBR LENDING)とは?
PBRレンディングは、Portobello Road株式会社が運営する暗号資産のレンディングサービスです。レンディングとは、手持ちの暗号資産を一定期間貸し出して、利息(貸借料)を受け取る仕組みのことです。
利用約款では、利用者が暗号資産を会社に貸し付け、会社が同じ種類の暗号資産に利息を上乗せして返す「暗号資産消費貸借契約」と定められています。預けた暗号資産そのものを保管しておく契約ではなく、会社が「同じ種類・同じ数量に利息を付けて返す義務」を負う契約だという点がポイントです。
プランと年利
| プラン | 固定年利 | 貸出期間(ロック期間) |
|---|---|---|
| レギュラーレンディング | 10% | 最初の30日間は返還請求できない。その後はいつでも返還請求できる |
| プレミアムレンディング | 12% | 1年間(365日目に満期) |
- 対象の暗号資産:BTC(ビットコイン)・ETH(イーサリアム)・XRP(リップル)・ADA(カルダノ)・USDT・USDCの6種類
- 利息は単利(受け取った利息が自動で元本に足されて増えていく複利ではない)
- 利率は銘柄にかかわらず同じ
- 利息は暗号資産の枚数で受け取る(例:1BTCをプレミアムで1年貸すと、満期に1.12BTCになる)
※利用約款では、会社が毎月1日に利率を決められる、と定められています。年利や最低貸出数量は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで最新の条件を確認してください(この記事の内容は2026年10月時点のものです)。
なぜ年利10〜12%も出せるのか
公式サイトでは、利用者から借りた暗号資産を事業資金としてさまざまな事業に出資・運用し、その収益から利息を払うと説明されています。事業の状況は「事業概況レポート」として定期的に公開されています。
つまり、利息の原資は運営会社の事業の成績です。銀行預金のように国の制度で守られたものではなく、会社の事業がうまくいくことが前提になっている、という点は押さえておきましょう。
PBRレンディングが「怪しい」と言われる5つの理由
「怪しい」と検索される理由を、事実と照らしながら一つずつ見ていきます。
① 年利が国内取引所よりかなり高い
国内の取引所(コインチェックやビットバンクなど)の貸暗号資産は、募集によって違いますが年率1〜5%程度が中心です。それと比べて10〜12%は2倍以上の水準なので、「うますぎる」と感じる方が多いのは自然です。高い利率の裏側には、次に説明するリスクがあります。
② 金融庁の登録業者ではない
PBRレンディングは暗号資産の売買をする取引所ではないため、コインチェックやビットバンクのような暗号資産交換業者としての登録はありません。現在の法律では、暗号資産を借りるだけのサービスには交換業の登録が必要とされていないためです。
ただし、2026年7月に成立した改正金融商品取引法では、利用者から暗号資産を借り入れる業務も、登録が必要な「暗号資産取引業」の対象に加えることになりました(施行はこれから)。施行後はレンディング事業者にも国のルールが適用されるので、今後の対応にも注目です。
③ 信託保全がなく、会社が破綻すると戻らない可能性がある
ここが一番大事なポイントです。利用約款には、預かった暗号資産は会社の資産と分けて管理するものの「法的に完全な信託保全を行うことを保証するものではない」こと、預金保険の対象外であることが書かれています。
さらに、会社が破産した場合、利用者の返還請求権は「一般債権」として他の債権者と同列に扱われるとされています。つまり、万一運営会社が破綻すると、貸した暗号資産の一部または全部が戻ってこない可能性があります。
④ 途中解約すると20%の手数料がかかる
プレミアムレンディングは1年間、返還を請求できません。やむを得ない事情があれば途中解約できますが、解約手数料として貸した暗号資産の20%相当が元本から差し引かれます。レギュラーレンディングでも、契約から30日以内に返還を求めると同じ手数料がかかります。
「1年分の利息12%を受け取る前に解約すると、むしろ減ってしまう」ということです。すぐに使う予定のある暗号資産は貸さないようにしましょう。
⑤ 2025年に顧客情報の流出があった
2025年9月、業務委託先の代表者が顧客情報(氏名・生年月日・住所など、約800件と報じられています)を不正に持ち出す事件がありました。会社の発表では、暗号資産の流出はなかったとされています。
会社は2025年10月31日に再発防止策を公表し、委託先を刑事告訴したうえで、顧客情報に触れられる社員の限定や外部委託の解除(内製化)、外部の専門家による監査などを進めると説明しています。
国内取引所のレンディングとの違い
| 比べるポイント | PBRレンディング | 国内取引所の貸暗号資産 |
|---|---|---|
| 運営 | Portobello Road株式会社(交換業者ではない) | 金融庁に登録された暗号資産交換業者 |
| 年利 | 10%(レギュラー)・12%(プレミアム) | 募集によって年率1〜5%程度が中心 |
| 途中解約 | 可能な場合もあるが20%の手数料 | 取引所による(解約できないものも多い) |
| 会社が破綻したとき | 一般債権として扱われ、戻らない可能性がある | 貸し出し中の暗号資産は分別管理の対象外になるなど、こちらもリスクはある |
| 使い方 | 取引所から送金して貸し出す | 同じ取引所の中で申し込むだけ |
国内取引所のレンディングも「元本保証」ではない点は同じですが、登録業者が運営している安心感と、送金の手間がない手軽さがあります。各取引所の違いは仮想通貨のレンディングを4社比較で詳しくまとめています。
PBRレンディングが向いている人・向いていない人
向いている人
- BTCやETHを長期で持ち続けるつもりで、しばらく売る予定がない人
- 国内取引所の低い利率に物足りなさを感じていて、リスクを理解したうえで高い利率を取りにいきたい人
- 万一戻らなくても生活に困らない金額だけを貸せる人
向いていない人
- 1年以内に使う予定のあるお金(暗号資産)しかない人
- 「年利12%なら確実に増える」と考えている人
- 運営会社の事業や財務を自分で確認するのが面倒な人
リスクを理解したうえで試してみたい方は、まずは公式サイトで最新の年利・募集条件を確認してみてください。
▼PBRレンディングの公式サイトはこちら
PBRレンディングの始め方
大まかな流れは次のとおりです。
- PBRレンディングの公式サイトでアカウントを作る(本人確認が必要)
- 国内の取引所でBTCやETHなど対象の暗号資産を買う
- 取引所からPBRレンディングの「貸出準備ウォレット」へ暗号資産を送る
- レギュラーかプレミアムを選んで貸し出す
すでに暗号資産を持っている方は、2の手順は不要です。
送金前に確認しておきたいこと
- 送金先として選べるか:最近は、国内の取引所で送金先を「あらかじめ審査された事業者の一覧」から選ぶ方式が増えています。送金する前に、使っている取引所でPBRレンディングを送金先に選べるかを確認してください
- 新しい送金先の制限:コインチェックでは2026年9月15日から、新しく登録した送金先への送金が一定期間制限されるようになりました(詳しくはコインチェックの新規送金先の制限)。早めに送金先を登録しておくと安心です
- 送金手数料:取引所からの送金手数料は利用者の負担です。少ない枚数を何度も送ると手数料の割合が大きくなります
- アドレスの入力ミス:送金先アドレスやネットワークを間違えると、暗号資産が戻らないことがあります。最初は少額で試すと安心です
▼暗号資産をまだ持っていない方は、国内の取引所で口座を作るところから始めましょう(口座開設は無料)
コインチェックとビットバンクのどちらにするか迷っている方は、コインチェックとビットバンクの比較も参考にしてください。
受け取った利息に税金はかかる?
レンディングで受け取った利息(貸借料)は、受け取った時点の時価で円に換算した金額が、原則として雑所得になります。会社員の方なら、暗号資産の利益などほかの雑所得と合わせて年20万円を超えると、確定申告が必要です。
利息を暗号資産の枚数で受け取るため、「まだ円にしていないから税金はかからない」と思いがちですが、受け取った時点で所得になる点に注意しましょう。20万円以下でも住民税の申告は必要になる点は仮想通貨の利益が20万円以下でも住民税の申告は必要?で解説しています。くわしい扱いは、税務署や税理士に確認してください。
よくある質問
Q. PBRレンディングは詐欺ですか?
公開されている情報(運営会社名・利用約款・事業概況レポートの公開など)から、詐欺と断定できる根拠は見当たりません。ただし、信託保全がなく会社が破綻すれば戻らない可能性がある点は、利用約款にも書かれているとおりです。「詐欺かどうか」より「この会社にこの金額を貸してよいか」で判断するのがおすすめです。
Q. 暗号資産の価格が下がったら損をしますか?
レンディングで約束されているのは枚数です。価格が下がっても枚数は減りませんが、円に換えたときの価値は下がります。円で見て損をしないかどうかは、暗号資産の価格次第です。
Q. 歩いて貯めたビットコインでも貸せますか?
対象の銘柄であれば、国内の取引所に出金したあと、PBRレンディングへ送金して貸し出すことはできます。ただし最低貸出数量があり、ビットウォークなどで貯まる量だけでは届かないことも多いので、申し込む前に公式サイトで最低数量を確認してください。歩いて暗号資産を貯める方法は歩いて稼ぐ仮想通貨アプリの比較でまとめています。
Q. 暗号資産を売らずに現金が必要になったら?
レンディング中は自由に引き出せないので、急な出費には向きません。売らずに現金を用意する方法としては暗号資産を担保にお金を借りる方法もあります(暗号資産担保ローンとは)。ただし金利や担保処分のリスクがあるので、慎重に検討しましょう。
まとめ:PBRレンディングは「仕組みとリスクを理解して、余裕資金で」
- PBRレンディングはPortobello Road株式会社が運営する暗号資産レンディングで、固定年利はレギュラー10%・プレミアム12%(単利)
- 利息の原資は運営会社の事業の収益。信託保全はなく、会社が破綻すると戻らない可能性がある
- プレミアムは1年間ロック。途中解約には20%の手数料
- 2025年に顧客情報の流出があり、会社は再発防止策を公表している(暗号資産の流出はなし)
- 2026年の法改正で、暗号資産の借入れ業務も今後は登録が必要な業務になる予定
「詐欺かどうか」で二択に考えるより、「国内取引所より高い利率の代わりに、何を引き受けるのか」を理解することが大切です。納得できた方は、生活に影響しない範囲の暗号資産で、まずは公式サイトの最新条件を確認するところから始めてみてください。
▼PBRレンディングの公式サイトはこちら