デジタル証券(セキュリティトークン)とは?仕組み・暗号資産との違い・メリットとリスク、少額から買う方法

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「デジタル証券」や「セキュリティトークン」という言葉を、最近ニュースや証券会社の広告で見かけることが増えました。名前だけ聞くと暗号資産(仮想通貨)の仲間のようですが、中身はまったく別物です。

この記事では、暗号資産ブログを書いている私の目線で、デジタル証券の仕組み、暗号資産やREITとの違い、メリットとリスク、そして個人が少額から買う方法を、初めての人にもわかるように整理します。

結論:デジタル証券は「ブロックチェーンで管理する証券」。中身は不動産投資が中心

  • デジタル証券(セキュリティトークン)は、株や投資信託と同じ「証券」の権利を、ブロックチェーンの技術で記録・管理するもの
  • 暗号資産とは違い、金融商品取引法のルールで守られた有価証券として扱われる
  • 日本では発行額の約9割が不動産を裏付けにしたもので、家賃収入などから分配金を受け取るのが基本
  • 10万円程度から買えるサービスもあるが、元本保証はなく、いつでも自由に売れるわけではない

数年使う予定のないお金で、株や暗号資産とは違う値動きの資産を少し持ちたい人に向いています。具体的なサービスの例として、三井物産グループのALTERNA(オルタナ)は10万円程度から始められます。

ALTERNA(オルタナ)

デジタル証券(セキュリティトークン)とは?

デジタル証券とは、株や債券、不動産の持ち分のような「証券」の権利を、ブロックチェーン(データの改ざんが難しい分散型の台帳)を使って発行・管理するものです。英語ではセキュリティトークン(Security Token、略してST)と呼ばれます。

日本では、2020年5月に施行された改正金融商品取引法でルールが整えられ、法律上は「電子記録移転有価証券表示権利等」という長い名前で呼ばれています。ポイントは、デジタル証券は法律上は有価証券だということです。そのため、販売するには金融商品取引業の登録が必要で、投資家を守るためのルール(説明義務など)も、株や投資信託と同じように適用されます。

仕組みをざっくりいうと

  1. 運用会社が、マンションやホテルなどの不動産を選び、それを裏付けにした証券を小口に分けて発行する
  2. 投資家は、証券会社などを通じてその証券を買う
  3. 不動産から入る家賃収入などをもとに、決まった時期に分配金を受け取る
  4. 運用期間(数年が多い)が終わると、不動産を売却して、その代金が投資家に払い戻される

「誰がどれだけ持っているか」の記録にブロックチェーンが使われているのが、普通の証券との違いです。投資家から見ると、ふつうの投資商品とほとんど同じ感覚で買えます。

デジタル証券と暗号資産・REIT・不動産クラファンの違い

似たものと比べると、デジタル証券の立ち位置がわかりやすくなります。

項目デジタル証券(不動産)暗号資産REIT(上場不動産投資信託)
法律上の扱い有価証券(金融商品取引法)暗号資産(資金決済法)有価証券(金融商品取引法)
中身特定の不動産(1つか少数の物件が多い)ビットコインなどのデジタル資産そのものたくさんの不動産をまとめたもの
収益の源家賃収入などの分配金と、売却時の損益値上がり益(配当はない)分配金と値上がり益
値動き比較的小さい(不動産の評価で動く)とても大きい株式市場で毎日動く
売りやすさ限られる(いつでも売れるとは限らない)取引所でほぼいつでも売れる証券取引所でいつでも売れる
NISA対象外対象外対象になるものがある

同じブロックチェーンの技術を使っていても、デジタル証券は「証券」、ビットコインは「暗号資産」と、法律上はまったく別のものです。暗号資産のように値段が1日で何%も動くものではなく、中身は「不動産投資の新しい買い方」とイメージするとわかりやすいと思います。暗号資産がNISAで買えない理由は暗号資産はNISAで買える?で解説しています。

また、少額から不動産に投資できるものには「不動産クラウドファンディング」もあります。こちらは主に不動産特定共同事業法という別の法律にもとづくサービスで、デジタル証券とは仕組みやルールが異なります。

日本のデジタル証券市場はどれくらいの大きさ?

大和総研のレポートによると、日本の不動産セキュリティトークンの累計発行額は、2025年12月末時点で約2,600億円です。セキュリティトークン全体の約9割を不動産が占めています。裏付けになっている不動産は、レジデンス(マンション)、ホテル・旅館、物流施設、オフィスなどさまざまです。

以前は機関投資家や富裕層向けの商品が中心でしたが、最近は10万円程度から買える個人向けの商品も増えてきました。

デジタル証券のメリット

1. 少額から不動産に投資できる

本来なら何億円もする都心のマンションやホテルに、小口で投資できるのが最大のメリットです。サービスによっては10万円程度から買えます。

2. 値動きが比較的おだやか

多くのデジタル証券は株式市場に上場していないので、毎日の株価のように大きく上下しにくい商品です。株や暗号資産とは違う動きをする資産を持つことで、資産全体の値動きをならす(分散する)効果が期待できます。

3. 分配金を定期的に受け取れる

家賃収入などをもとにした分配金を、決まった時期に受け取れます。どの不動産に投資しているかがはっきりしているので、「何にお金を出しているか」がわかりやすいのもよいところです。

4. 法律で守られた有価証券である

金融商品取引法のルールのもとで販売されるので、取り扱う会社には登録が必要で、商品の説明資料(目論見書など)も用意されています。

デジタル証券のリスク・デメリット

1. 元本保証はない

不動産の価格や家賃が下がれば、分配金が減ったり、償還(払い戻し)のときに元本を下回ったりすることがあります。表示されている利回りは「予想」であって、約束されたものではありません。

2. いつでも自由に売れるわけではない

いちばん注意したいのがここです。運用期間は数年のものが多く、途中で売りたいときは、大阪デジタルエクスチェンジの「START」という市場で売るか、証券会社に買い取ってもらうなどの方法になります。STARTで取引できる銘柄はまだ限られていて(2025年12月時点で7銘柄)、取引も多くないため、希望の値段や時期で売れるとは限りません。数年は使わないお金で買うのが前提です。

3. 1つの物件に集中しやすい

REITがたくさんの物件をまとめているのに対し、デジタル証券は1つか少数の物件に投資するものが多く、その物件の状況(空室、災害、周辺の環境の変化など)の影響を受けやすくなります。

4. 税金の扱いが商品によって違い、NISAは使えない

デジタル証券はNISAの対象外です。税金の扱いは商品の仕組みによって違い、たとえば「受益証券発行信託」というタイプでは、分配金は源泉徴収で課税が終わる場合があり、売却益は原則として申告分離課税です。一方、「匿名組合出資」というタイプでは、分配金も売却益も総合課税になります。買う前に、商品の説明資料で税金の扱いを確認しておきましょう。

デジタル証券を少額から買う方法

デジタル証券は有価証券なので、金融庁に登録された証券会社や、デジタル証券のサービスを運営する会社の口座から買います。

買い方例最低投資額の目安
デジタル証券の専用サービスで買うALTERNA(三井物産グループ)など10万円程度から
大手証券会社で買う野村證券などが取り扱い商品によっては100万円から

※最低投資額は商品ごとに違います。2026年10月時点の各社の公式サイトの情報をもとにしています。

流れはどこも大きく変わりません。

  1. サービスや証券会社の口座を開設する(本人確認あり)
  2. 募集中の商品の説明資料で、投資対象の不動産・運用期間・予想利回り・途中で売るときのルール・税金を確認する
  3. 申し込み、入金する(人気の商品は抽選や先着になることもある)
  4. 運用期間中は分配金を受け取り、期間が終わると払い戻しを受ける

少額から試してみるなら、10万円程度から申し込めるALTERNAがわかりやすいと思います。三井物産グループが選んだ不動産などに投資するサービスで、利回りや手数料、途中で売るときの注意点はALTERNA(オルタナ)の評判と始め方でくわしく解説しています。

ALTERNA(オルタナ)

デジタル証券が向いている人・向いていない人

向いている人向いていない人
数年使う予定のないお金がある近いうちに使うお金で投資したい
株や暗号資産とは違う値動きの資産を少し持ちたい大きな値上がりを狙いたい
新NISAの枠はすでに使っていて、ほかの選択肢を探しているまだ新NISAを使っていない(先にNISAを使う方が税金の面で有利)

私自身は、資産の中心は新NISAでの投資信託の積み立てで、暗号資産は歩いて稼ぐアプリなどで少額をコツコツ、というスタイルです。デジタル証券は、その外側で「分散のためにもう一つ」という位置づけで考えるのがちょうどいいと思っています。

ほかにも、暗号資産を貸して利息を受け取るレンディングや、暗号資産を担保にお金を借りるローンなど、ブロックチェーンに関わる資産運用の方法はいくつかあります。仕組みやリスクがそれぞれ違うので、気になる人はPBRレンディングの仕組みとリスクや暗号資産担保ローンとは?もあわせて読んでみてください。

まとめ:デジタル証券は「少額から買える不動産投資」。売りにくさを理解して使おう

  • デジタル証券(セキュリティトークン)は、ブロックチェーンで管理する有価証券。暗号資産とは法律上まったく別のもの
  • 日本では約9割が不動産を裏付けにしたもので、累計発行額は約2,600億円(2025年12月末)
  • 少額から不動産に投資でき、値動きは比較的おだやかで、分配金を受け取れる
  • 元本保証はなく、途中で売れる場所や機会は限られる。NISAも使えない
  • 10万円程度から始めるなら、ALTERNAのような専用サービスが入口になる

まずは説明資料で「何に投資して、いつお金が戻ってくるのか」を確認し、数年使わないお金の一部で検討してみてください。

出典:大和総研「大和のセキュリティトークンナビ 第3回」(2026年1月26日)、大和証券「金融・証券用語解説 電子記録移転有価証券表示権利等」、野村證券「セキュリティ・トークン」ページ、ALTERNA公式サイト。記事の内容は2026年10月19日時点の情報です。投資の判断は、各商品の説明資料を確認したうえでご自身で行ってください。

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