暗号資産はNISAで買える?対象外の理由と2028年からの税制改正を解説

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「暗号資産(仮想通貨)もNISAで買えたら、利益に税金がかからないのに…」

そんなふうに思ったことはありませんか。新NISAで投資信託や株式を積み立てている方の中には、ビットコインなどの暗号資産にも興味があるけれど、NISAの対象になっていないことを疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

私も資産運用と暗号資産の両方を扱うこのブログを運営する中で、同じ疑問を持ったことがあります。そこで今回は、暗号資産がNISAの対象になっていない理由と、2025年12月に示された税制改正の動きについて、わかりやすく整理してみました。

暗号資産はNISAで買える?結論からお伝えします

結論からお伝えすると、2026年8月現在、暗号資産はNISAの対象にはなっていません。ビットコインやイーサリアムなどをNISA口座で購入し、非課税で運用することはできない状態です。

コインチェック・ビットバンク・ビットフライヤーといった暗号資産取引所の口座と、SBI証券や楽天証券などのNISA口座は、制度としてまったく別のものだと考えていただくとイメージしやすいかと思います。

なぜ暗号資産はNISAの対象外なのでしょうか

理由はシンプルで、NISAの対象商品と暗号資産が、それぞれ異なる法律の枠組みで扱われているためです。

NISAで購入できるのは、上場株式や投資信託、ETF(上場投資信託)など、「金融商品取引法」上の有価証券に該当する商品に限られます。一方で、ビットコインなどの暗号資産は、現時点では「資金決済に関する法律(資金決済法)」の対象として扱われており、株式や投資信託とは別の法律で規律されているのです。

つまり、暗号資産そのものがNISAの対象になるには、単に「制度に追加する」という話ではなく、そもそも暗号資産が有価証券と同じ枠組みで扱われるようになる必要がある、というのがこれまでの状況でした。

暗号資産の税金は、今どのくらい重いのか

NISAの非課税メリットのありがたみを理解するために、現在の暗号資産の税金についても整理しておきます。

暗号資産の売買によって得た利益は、現状「雑所得」として扱われ、給与所得など他の所得と合算した上で税額が計算される「総合課税」の対象です。所得税は所得が多いほど税率が上がる累進課税のため、住民税と合わせると、所得が多い方では最大でおよそ55%程度の税負担になることもあります。

さらに、株式投資などと異なり、暗号資産取引で損失が出ても、その損失を翌年以降に繰り越して将来の利益と相殺する「損失の繰越控除」が認められていないという点も、現行制度の特徴です。

こうした点が、「暗号資産は税金が重い」という印象につながっている面があります。だからこそ、「NISAのように非課税、あるいは軽い税率で暗号資産を運用できたら」という声が根強くあるのだと思います。

2025年12月、税制改正の方向性が示されました

このような状況の中、暗号資産の税制を見直す動きが、実際に一歩進みました。2025年12月19日に公表された「令和8年度与党税制改正大綱」で、暗号資産の課税のあり方について、次のような方向性が示されています。

分離課税20%への移行

国内の暗号資産交換業者に登録・上場されている一定の暗号資産(大綱では「特定暗号資産」と表現)について、現物取引・デリバティブ取引・ETFから生じる所得を、他の所得と分離して20%(所得税15%+住民税5%)の税率で課税する方向性が記載されました。これは、現在すでに申告分離課税となっている株式や投資信託と同じ税率です。

3年間の繰越控除制度の創設

あわせて、暗号資産取引で損失が出た場合に、翌年以後3年以内であれば将来の利益と相殺できる「繰越控除制度」を新たに設ける方針も盛り込まれました。

暗号資産ETFの解禁に関する記載

金融庁が公表した資料では、暗号資産の現物ETFについても「政令改正により組成可能とする」という記載があり、日本国内でも暗号資産ETFが組成できる環境整備が進められる可能性が示されています。

ただし、これらの見直しには前提条件があります。暗号資産を扱う法律を、現在の資金決済法から「金融商品取引法(金商法)」の枠組みに位置づけ直し、投資家保護のための説明義務や、不公正取引の防止といった業規制を整備することが前提とされているのです。株式や投資信託が申告分離課税の対象になっているのも、金商法のもとで情報開示や業者規制がしっかり整備されているからこそ、という考え方が背景にあります。

いつから適用される見込み?

税制改正大綱には、「金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日」以後の譲渡等から適用するという趣旨の記載があります。金商法の改正法案の成立が早くて2026年、施行が2027年になると見込まれていることから、実際に分離課税が適用されるのは、早くても2028年1月1日以降になる見通しです。

まだ数年先の話であり、対象となる銘柄の範囲や、ステーキング・レンディングによる報酬が対象に含まれるのかといった細かい制度設計も、今後の法整備の中で明らかになっていく段階だという点は押さえておきたいところです。

今後、暗号資産はNISAの対象になるのでしょうか

ここまで見てきた税制改正の動きは、暗号資産を株式や投資信託と同じ「金商法の枠組み」に位置づけ直す方向性を示すものです。NISAの対象商品も金商法上の有価証券に限られていることを踏まえると、暗号資産が金商法の枠組みに入っていくこと自体は、将来的にNISAでの取り扱いが議論される土台になり得ると考えられます。

実際に、暗号資産に連動するETFが国内で組成されるようになれば、「暗号資産そのもの」ではなく「暗号資産ETF」という形で、将来的にNISA対象化が議論される可能性はゼロではありません。

とはいえ、2026年8月時点では、暗号資産(暗号資産ETFを含む)をNISAの対象に加えることが正式に決定した事実はありません。分離課税やETF解禁自体も、金商法の改正や事業者側の体制整備が前提となる、これからの制度設計次第という段階です。「NISAで暗号資産が買えるようになる」と断定するのではなく、今後の法改正や税制調査会の議論を注視していく、という向き合い方が現実的だと私は考えています。

まとめ:今からできることを整理しておこう

暗号資産は現時点でNISAの対象外であり、利益は雑所得として総合課税(最大約55%)の対象になっています。ただし2025年12月の税制改正大綱により、早ければ2028年1月1日から、株式や投資信託と同じ20%の分離課税へ移行し、3年間の繰越控除も導入される見通しが示されました。暗号資産ETFについても、政令改正により国内で組成できる環境が整いつつあります。

制度が変わるまでの間も、暗号資産で得た利益には確定申告が必要になる点は変わりません。取引記録は日頃からこまめに残しておくと、将来制度が変わったときにもスムーズです。

なお、本記事の内容は2026年8月時点の情報をもとにした制度の解説であり、今後の法改正によって内容が変わる可能性があります。実際の投資判断や確定申告にあたっては、国税庁や金融庁の最新情報、税理士など専門家への確認もあわせて行っていただくことをおすすめします。

暗号資産の口座選びに迷っている方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

また、投資信託でのNISA活用については、こちらの記事も参考にしてみてください。

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