2026年に入り、コインチェックのUSDC対応、JPYCの発行上限緩和、そしてSBIグループによる新しいステーブルコイン「JPYSC」の登場と、ステーブルコインをめぐるニュースが続いています。「結局、JPYC・USDC・USDT・JPYSCはどう違うのか」「自分はどれを知っておけばいいのか」と感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、この4つのステーブルコインを比較しながら、それぞれの仕組みと現時点(2026年9月)での日本での使い方を、初心者の方にもわかりやすく整理して解説します。
ステーブルコインとは?
ステーブルコインとは、米ドルや日本円といった法定通貨に価値が連動するように設計された暗号資産のことです。ビットコインやイーサリアムのような一般的な暗号資産は価格の変動が大きいのに対して、ステーブルコインは「1コイン=1ドル」「1コイン=1円」のように価値が安定するよう作られているのが特徴です。この安定性を活かして、送金や決済、暗号資産取引の一時的な待避先として使われています。
JPYC・USDC・USDT・JPYSCの比較表
まずは4つのステーブルコインの違いを表で整理します。
| 名称 | 発行体 | 裏付け資産 | 日本での購入方法 |
|---|---|---|---|
| JPYC | JPYC株式会社 | 銀行預金等 | JPYC EX(暗号資産取引所では購入不可) |
| USDC | Circle社 | 米ドル・米国債 | SBI VCトレード(コインチェックは登録済みだが開始時期未定) |
| JPYSC | SBI新生信託銀行 | 銀行預金・日本国債 | SBI VCトレードの口座内限定 |
| USDT | Tether社 | 米国債・現金同等物(完全な監査は未実施) | 国内取引所では取扱いなし。海外取引所経由が必要 |
表を見るとわかるとおり、2026年9月時点では、JPYC・USDC・USDT・JPYSCのいずれも、当ブログで比較しているコインチェック・ビットバンク・ビットフライヤー・GMOコインの4取引所で直接購入できるものはありません。この点は記事の後半でもう一度触れます。
JPYC(ジェーピーワイシー)とは
JPYCは、JPYC株式会社が発行する日本円建てのステーブルコインです。銀行預金などを裏付け資産として、1JPYC=1円を目指して設計されています。JPYC EXというサービス経由で発行を受ける形式で、メール登録とマイナンバーカードによるeKYCを済ませれば、銀行振込で3,000円から発行できます。発行手数料は無料です。発行上限は2026年5月15日に「1日100万円」から「1回100万円」に緩和されており、対応チェーンはEthereum・Polygon・Avalanche・Kaiaの4つです。より詳しい発行手順や、コインチェックなど暗号資産取引所で買えない理由については、こちらの記事でくわしく解説しています。
JPYCはコインチェックで買える?買えない理由と正しい買い方をわかりやすく解説
USDC(ユーエスディーシー)とは
USDCは、米国のCircle社が発行する米ドル建てのステーブルコインで、米ドルや米国債を裏付け資産としています。日本国内では、SBI VCトレードがいち早く取り扱いを開始しています。コインチェックも2026年8月27日に「電子決済手段等取引業」の登録を完了しており、USDC取扱いに向けた体制は整いましたが、2026年9月時点では具体的な取扱開始時期はまだ公表されていません。先行するSBI VCトレードの事例(登録から約3週間で取扱開始)が、今後の目安の一つになりそうです。詳しい経緯は以下の記事をご覧ください。
コインチェックがUSDC対応へ!電子決済手段等取引業登録の意味といつから使えるかを解説
JPYSC(ジェーピーワイエスシー)とは
JPYSCは、SBI新生信託銀行が発行主体となる、信託の仕組みを使った日本円建てのステーブルコインです。2026年6月24日から提供が始まりました。信託財産は銀行預金と日本国債で運用・管理されており、発行額の50%を上限に短期国債での運用が可能です。2026年9月時点では10億円分が短期国債で運用されています。ブロックチェーンはEthereum上のERC-20トークンとして発行されており、将来的にはStrium・Soneiumといった他のチェーンへの対応も検討されているとのことです。
現時点でのJPYSCは、SBI VCトレードの口座内でのみ利用できる形になっており、外部ウォレットへの出庫には対応していません。パブリックなブロックチェーン上での流通は、関連する法令が整備された後に移行する予定とされています。購入・売却・出金のいずれも手数料はかからず、円とJPYSCは1対1で交換できます。口座開設自体は無料で、マイナンバーカードがあれば最短当日で完了します。
USDT(テザー)とは
USDTは、Tether社が2015年から発行している米ドル建てのステーブルコインで、時価総額は約28兆円とステーブルコインの中では世界最大規模です。Tether社は四半期ごとに準備資産の状況(アテステーション報告)を公開しており、2025年9月30日時点では準備資産が約1,812億ドル、負債が約1,744億ドルとされ、主に米国債や現金同等物で裏付けられています。ただし、完全な監査は実施されていない点は正直にお伝えしておきたいポイントです。2019年にはニューヨーク州司法長官から虚偽説明の疑いで調査を受けた経緯もあります。
また、USDTは過去に「1USDT=1ドル」の関係が崩れる、いわゆるデペッグを経験しています。2022年5月のTerra(旧LUNA)崩壊時には0.95ドル程度まで、同年11月のFTX破綻時には0.96ドル程度まで一時的に値下がりした実績があり、絶対に価格が崩れないわけではないという点は理解しておく必要があります。
日本国内の取引所では、2026年9月時点でUSDTを直接取り扱っているところはありません。実際に手に入れるには、①コインチェックなど国内取引所でビットコインやイーサリアムなどを購入する、②その暗号資産を海外取引所に送金する、③海外取引所でUSDT建てのペアに交換する、という手順が必要になります。海外の取引所を使う際は、ご自身の判断とリスクで利用する点にも注意してください。
目的別の選び方
4つのステーブルコインは、それぞれ得意な使いどころが異なります。目的別に整理すると、次のように考えることができます。
- 日本円建てで、少額から試してみたい方は「JPYC」が始めやすい選択肢です。
- すでにSBI VCトレードの口座を持っていて、円建てのステーブルコインを信託の仕組みで管理したい方は「JPYSC」が候補になります。
- 将来的にドル建て資産の受け皿を国内の取引所に持っておきたい方は、コインチェックの対応開始を待ちつつ「USDC」に注目しておくとよいでしょう。
- すでに海外取引所を使っていて、暗号資産取引の一時的な待避先としての流動性を重視する方は「USDT」が選ばれていますが、準備資産の透明性や過去のデペッグ実績といったリスクは理解したうえで利用してください。
今のうちにやっておけること
ここまで見てきたとおり、2026年9月時点では、JPYC・USDC・USDT・JPYSCのいずれも、コインチェック・ビットバンク・ビットフライヤー・GMOコインといった主要な国内取引所で直接購入できる状態ではありません。ただし、コインチェックはUSDC取扱いに向けたライセンス取得を完了しており、口座さえ用意しておけば、正式にサービスが始まった際にすぐ試すことができます。まずはコインチェックの口座を開設しておき、続報を待つのがよさそうです。
▼コインチェックの口座開設はこちら
取引所選びに迷ったら、コインチェックとビットバンクを徹底比較!初心者はどっちを選ぶべき?もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. ステーブルコインは日本円に交換できますか?
A. コインによって異なります。JPYCやJPYSCはもともと日本円建てで、1対1に近いレートで交換できる設計です。USDCやUSDTはドル建てのため、いったん日本円に交換する際は為替レートの影響を受けます。
Q. JPYCとJPYSCの違いは何ですか?
A. どちらも日本円に連動するステーブルコインですが、発行体と仕組みが異なります。JPYCはJPYC株式会社が発行し、JPYC EX経由で誰でも発行を受けられます。JPYSCはSBI新生信託銀行が信託の仕組みで発行しており、2026年9月時点ではSBI VCトレードの口座内でのみ利用できる、より限定的なサービスです。
Q. USDTは危険な暗号資産ですか?
A. 世界最大規模のステーブルコインとして広く使われていますが、準備資産について完全な監査が実施されていない点や、過去に一時的な価格の乖離(デペッグ)が起きた実績がある点は、利用前に理解しておくべきリスクです。また日本国内の取引所では取り扱いがなく、海外取引所を経由する必要がある点にも注意が必要です。
まとめ
JPYC・USDC・USDT・JPYSCは、いずれも法定通貨に価値を連動させたステーブルコインですが、発行体や裏付け資産、日本での使い方は大きく異なります。2026年9月時点では、この4つのいずれも当ブログで比較している主要4取引所で直接購入することはできませんが、コインチェックのUSDC対応をはじめ、状況は少しずつ動いています。まずは口座を用意しておき、それぞれのサービスの続報をチェックしていくのがよさそうです。