2026年9月、暗号資産の「上場廃止」がなぜこんなに相次いでいるの?
ここ最近、国内の暗号資産取引所から「一部銘柄の取扱いを廃止します」というお知らせが次々と出ているのをご存知でしょうか。2026年9月だけでも、複数の取引所が同じようなタイミングで銘柄整理を発表しており、「自分が持っている銘柄も対象になるのでは」「対象になったらどうすればいいの」と不安に感じている方も多いと思います。
私も普段からassetpapa.comでコインチェック・ビットバンク・ビットフライヤー・GMOコインを中心にウォッチしていますが、今回はその中でも実際に動きのあったGMOコインの事例を中心に、何が起きているのか、そして対象銘柄を持っていた場合に今すぐ確認しておきたいことを整理してお伝えします。
なお、「上場廃止」は主に株式で使われる言葉ですが、暗号資産の世界では取引所が「取扱いを廃止する」という意味で使われることが多く、記事によって「上場廃止」「取扱廃止」「デリスト(delist)」など呼び方が混在しています。この記事では特にことわりがない限り、同じ意味として扱います。
2026年9月に発表された主な上場廃止・取扱廃止
まず、直近で発表されている主な動きを簡単に整理します。
- BITPOINT(ビットポイント):2026年9月4日、6銘柄の取扱廃止を発表
- SBI VCトレード:2026年9月4日、3銘柄の取扱廃止を発表
- GMOコイン:2026年9月9日、ザ・サンドボックス(SAND)・チリーズ(CHZ)・ファイルコイン(FIL)の3銘柄の取扱廃止を発表
いずれも国内で金融庁に登録された暗号資産交換業者による発表です。特にGMOコインは、当ブログで比較対象にしている取引所の一つですので、今回はGMOコインのケースを例に、廃止までの流れを詳しく見ていきます。
GMOコインのSAND・CHZ・FIL廃止スケジュール
GMOコインが公表しているスケジュールは、次のようになっています。
- 貸暗号資産サービスの終了:2026年9月15日
- つみたて暗号資産の最終積立日:毎週プラン10月7日、毎日プラン10月9日、毎月プラン10月10日
- 販売所・預入サービスの終了:2026年10月24日(定期メンテナンス終了後)
- 送付受付の終了:2026年11月7日(定期メンテナンス終了後)
そして、期限までに売却や送付を行わなかった場合は、2026年11月中旬をめどに、GMOコインの口座に残っている対象3銘柄が強制的に売却される予定とされています。売却後の資金は日本円としてユーザーの口座に付与されますが、市場の流動性が下がった状態での売却になるため、想定より低い価格になる可能性がある点は覚えておきたいところです。
そもそも、なぜ上場廃止が相次いでいるの?
上場廃止というと「何か悪いことが起きたのでは」と心配になるかもしれませんが、今回相次いでいる廃止の多くは、そこまで深刻な話ではないケースが中心です。一般的に、取引所が銘柄の取扱いをやめる理由としては、次のようなものが挙げられます。
- その銘柄の取引量(流動性)が下がり、売買が成立しにくくなっている
- マネーロンダリング対策など、取引所側の管理コストに見合う需要がなくなった
- プロジェクト自体の開発・運営が停滞している
つまり「値上がりが期待できないから廃止する」というよりも、「取引所として抱えているリスクや管理コストに対して、取引の需要が小さくなった銘柄を整理している」という位置づけの廃止が多い、というのが実情に近いイメージです。もちろん個別の銘柄ごとに事情は異なりますので、気になる銘柄がある場合は各取引所の公式発表を確認するのが確実です。
コインチェック・ビットバンク・ビットフライヤーは大丈夫?
当ブログで比較している4社について、2026年9月時点の状況を確認してみました。
コインチェック
コインチェックについては、2026年7月にブラッドクリスタル(BC)という銘柄の取扱廃止を発表しており、2026年8月26日に対応が完了しています。今回の9月の廃止ラッシュとは時期がずれますが、同じように「流動性の低下」を理由とした整理が行われていました。なお、期限までに売却・送金しなかった保有者に対しても、コインチェックは5年間(2031年8月26日まで)返還請求に応じる方針としています。取引所によって、期限後の対応期間にも違いがあることがわかります。
ビットバンク
ビットバンクについては、2026年9月時点で今回のような銘柄整理の発表は確認できませんでした。今のところ、比較的落ち着いて運営が続いている状況です。
ビットフライヤー
ビットフライヤーは、他社の廃止ラッシュとは対照的に、2026年9月16日、トロン(TRX)・グラム(GRAM)・コスモス(ATOM)・XDC Networkの4銘柄を新規に追加すると発表しました。取引開始は9月29日、かんたん積立での購入開始は9月30日からの予定です。同じ時期に、廃止を進める取引所と、逆に取扱いを広げる取引所が両方存在しているというのは、なかなか興味深い動きだと感じます。
対象銘柄を持っていたら、今すぐやるべきこと
もし今回の対象銘柄(SAND・CHZ・FILなど)や、今後別の取引所で廃止が発表された銘柄をお持ちの場合、基本的な対応の流れは次のようになります。
- 取引所の公式サイト・お知らせを確認する:廃止は必ず事前に告知されます。ログイン後の通知や、取引所のプレスリリース一覧はこまめに確認しておくと安心です。
- 期限までに売却するか、他の場所へ送付する:その銘柄を今後も持ち続けたい場合は、期限内に別の取引所や、その銘柄に対応したウォレットへ送付する必要があります。売ってしまってよい場合は、期限前の売却を検討しましょう。
- 期限を過ぎるとどうなるか確認する:GMOコインの例のように、期限を過ぎると口座に残っている分が取引所側で強制的に売却されるケースがあります。強制売却された場合でも、しばらくの間は日本円化された資金を口座から出金できますし、コインチェックのように一定期間は返還請求に応じる取引所もあります。ただし、対応方法は取引所ごとに異なるため、必ず各社の告知を確認してください。
なお、期限内に自分で売却した場合はもちろん、取引所による強制売却も「暗号資産を売却した」という扱いになります。暗号資産の売却益は原則として雑所得にあたり、他の所得と合わせて総合課税の対象になります。この点については、以前まとめた暗号資産とNISAの関係を解説した記事でも触れていますので、あわせて参考にしてみてください。
最新の告知はどこで確認すればいい?
各取引所とも、取扱廃止のお知らせは公式サイトのニュース・お知らせページに掲載されるほか、アプリやWeb版へのログイン後にポップアップ等で表示されることが多いです。マイナーな銘柄をいくつも保有している方は、月に一度程度、利用している取引所のお知らせページをまとめて見る習慣をつけておくと、こうした告知を見逃しにくくなります。
今後に備えて考えておきたいこと
今回のような銘柄整理は、特定の取引所だけでなく、業界全体で今後も起こり得ることです。マイナーな銘柄を保有している場合は特に、こうした告知を見逃さないようにすることが第一歩になります。
また、コインチェックが送金先の制限を強化するなど、取引所側の対応や制限が変わる動きも同じ時期に見られました。1つの取引所だけに資産を集中させておくのではなく、複数の取引所に口座を持っておくことは、こうした変化があったときの選択肢を広げる意味でも、検討する価値があると思います。
口座をまだお持ちでない方は、この機会に開設を検討してみてはいかがでしょうか。
▼コインチェックの口座開設はこちら
コインチェック
▼ビットバンクの口座開設はこちら
ビットバンク
取引所ごとの手数料や特徴の違いが気になる方は、コインチェックとビットバンクを徹底比較した記事や、ビットフライヤーとビットバンクを比較した記事、セキュリティ対策を比較した記事もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 廃止された銘柄を売らずにそのまま放置していたらどうなりますか?
A. 取引所ごとに対応は異なりますが、GMOコインのように送付受付終了後、一定期間を過ぎた分を取引所側で強制的に売却し、日本円として口座に残す形にするケースが多いです。放置していても資産がゼロになるわけではありませんが、市場価格が下がったタイミングで売却されてしまう可能性がある点は注意が必要です。
Q. 廃止された銘柄は、他の取引所ではまだ売買できますか?
A. 銘柄によります。国内の別の取引所や海外の取引所で取り扱いが続いている場合は、対応するウォレットに送付してから、そちらで売買できる可能性があります。ただし送付先の取引所・ウォレットがその銘柄に対応しているか、送付前に必ず確認してください。
Q. 今回の廃止は、その銘柄の将来性が低いという判断なのでしょうか?
A. 一概には言えません。取引所が廃止を判断する基準は、その銘柄自体の将来性だけでなく、取引所側の管理コストや、その取引所での取引量(流動性)など複数の要素が絡みます。同じ銘柄でも、廃止する取引所と取り扱いを続ける取引所が両方存在することもあるため、廃止=その銘柄がすべての取引所で終わり、というわけではない点は知っておくとよいと思います。
まとめ
2026年9月は、BITPOINT・SBI VCトレード・GMOコインが相次いで銘柄の取扱廃止を発表した一方で、ビットフライヤーは逆に新規銘柄の追加を発表するなど、取引所によって対応が分かれる動きが目立ちました。
暗号資産を保有している場合は、まず取引所からの告知を見逃さないこと、そして対象銘柄があれば期限までに売却・送付といった対応を済ませておくことが大切です。今回の内容が、皆さんの資産管理の参考になれば嬉しいです。