2027年1月から、子ども向けの新しいNISA「こどもNISA」が始まります。2026年10月からは各社で申込の受付もスタートしました。
ここで気になるのが、「すでにジュニアNISAで運用している子どもの口座はどうなるの?」という点です。我が家も子どものジュニアNISAをSBI証券で運用してきたので、まさに自分ごととして調べました。
この記事では、ジュニアNISAとこどもNISAは併用できるのか、ジュニアNISAの資産はこの先どうなるのか、そして家庭ごとにどう考えればいいのかを、順番に整理します。
結論:ジュニアNISAとこどもNISAは併用できる(ただし資産の移し替えはできない)
先に結論をまとめると、次の3点です。
- ジュニアNISA口座を持っている子どもも、こどもNISAを始められます(併用できます)
- ジュニアNISAで持っている投資信託や株を、こどもNISAへそのまま移すことはできません
- こどもNISAの上限600万円に、ジュニアNISAで持っている分は含まれません
三菱UFJ eスマート証券のこどもNISAのよくある質問でも、ジュニアNISAを持っていてもこどもNISAを開設でき、ジュニアNISAで保有している分はこどもNISAの非課税保有限度額(600万円)に含まれないと案内されています。つまり、ジュニアNISAとこどもNISAは「別々の箱」として、それぞれ独立して管理されるイメージです。
ジュニアNISAの今のルールをおさらい
ジュニアNISAは2023年末で新しい買付が終わりました。ただ、口座の中の資産は今も非課税のまま持ち続けられます。2024年以降のルールで押さえておきたいのは次の3つです。
①18歳になるまで非課税で持ち続けられる(継続管理勘定)
ジュニアNISAの非課税期間は、もともと買った年から5年間でした。5年が過ぎても子どもがまだ18歳未満であれば、資産は「継続管理勘定(けいぞくかんりかんじょう)」という場所に自動で移されます。継続管理勘定とは、18歳になるまで非課税のまま預けておくための「延長用の箱」のようなものです。
楽天証券の案内によると、継続管理勘定では新しく買うことはできず、売却だけができます。また、移せる金額に上限はなく、値上がりして80万円を超えていても全額移されます。
②2024年以降は、年齢や理由を問わず非課税で引き出せる
以前のジュニアNISAは「原則18歳まで引き出せない」のが大きなネックでした。2024年以降はこの制限がなくなり、理由や年齢に関係なく、非課税のまま引き出せるようになっています。
ただし、引き出すときは全額を払い出して口座を廃止する形になり、一部だけ引き出すことはできません。「少しだけ教育費に使いたい」という使い方には向かないので注意しましょう。
③18歳になると、課税口座(特定口座など)へ移る
子どもが18歳になると、ジュニアNISAの資産は大人のNISAではなく、課税口座(特定口座や一般口座)へ移されます。楽天証券の案内でも、ジュニアNISAで持っている商品は新しいNISA口座へは移せないとされています。
課税口座へ移るときは、その時点の価格が新しい取得価額(買った値段)として扱われます。そのため、18歳になるまでに出た値上がり益には税金がかからず、移った後に出た利益から課税されるという仕組みです。
ジュニアNISAとこどもNISAの違い
2つの制度の主な違いを表にまとめます。
| 項目 | ジュニアNISA | こどもNISA |
|---|---|---|
| 利用できた(できる)期間 | 2016〜2023年(新規買付は終了) | 2027年1月から |
| 年間の投資枠 | 80万円 | 60万円(積立のみ、月5万円まで) |
| 非課税で持てる上限 | 400万円(80万円×5年) | 600万円 |
| 非課税期間 | 買った年から5年(18歳までは継続管理勘定で延長) | 無期限 |
| 買えるもの | 株式・投資信託など | 一定の条件を満たした投資信託のみ |
| 引き出し | 2024年以降はいつでも可(全額払い出し・口座廃止) | 12歳以降、子どものための用途で本人の同意などがあれば可 |
| 18歳になったら | 課税口座へ移る | 大人のNISAへ自動で移る |
いちばん大きな違いは「18歳以降」です。ジュニアNISAは18歳で非課税が終わりますが、こどもNISAは大人のNISAにそのまま引き継がれるので、非課税で育て続けられます。
こどもNISAの制度や申込の流れは、松井証券で「こどもNISA」の予約受付がスタート!申込の流れ・必要なもの・ジュニアNISAとの違いを解説でも詳しくまとめています。
ジュニアNISAがある家庭の選択肢は3つ
ジュニアNISAを持っている家庭が取れる選択肢は、大きく分けて次の3つです。
選択肢1:ジュニアNISAはそのまま置いておき、こどもNISAで新しく積み立てる
いちばんシンプルで、多くの家庭にとって現実的なのがこの形です。ジュニアNISAの資産は18歳まで非課税で育て続け、こどもNISAでは毎月の積立を新しく始めます。2つは別枠なので、こどもNISAの600万円の枠をまるごと使えます。
選択肢2:ジュニアNISAを払い出して、そのお金をこどもNISAで積み立て直す
「18歳以降も非課税で育てたいから、こどもNISAに寄せたい」という考え方です。ただし、こどもNISAは積立のみで月5万円(年60万円)までしか入れられないため、まとまった金額を一度に移すことはできません。払い出したお金は、何年かかけて少しずつ積み立てることになります。
また、ジュニアNISAの払い出しは全額・口座廃止となるので、積み立て直すまでの間はお金が投資されていない状態になります。ジュニアNISAのまま持っていても18歳までは非課税なので、急いで払い出すメリットは小さいと私は考えています。
選択肢3:ジュニアNISAを払い出して、教育費などに使う
中学・高校の入学など、近いうちにまとまったお金が必要な場合は、ジュニアNISAを払い出して使うのも選択肢です。2024年以降は非課税で引き出せるので、税金を気にせず使えます。ただし全額払い出しになる点は、選択肢2と同じく注意が必要です。
我が家の考え方:ジュニアNISAは置いたまま、こどもNISAを始める
我が家は、選択肢1の「ジュニアNISAはそのまま、こどもNISAで新しく積立」を考えています。理由は次の3つです。
- ジュニアNISAは18歳まで非課税なので、今あわてて動かす理由がない
- こどもNISAの600万円の枠は、ジュニアNISAとは別に使える
- こどもNISAは月5万円までの積立なので、早く始めるほど枠を使える年数が長くなる
なお、子どもが18歳に近い場合は、ジュニアNISAの資産が課税口座に移るタイミングも意識しておきたいところです。課税口座に移った後は、売却時の利益に税金がかかります。どこで使うか、どこまで持つかは、子どもの進学の予定と合わせて考えるのがよさそうです。
こどもNISAを始めるには
こどもNISAを始めるには、親の証券口座と、子ども名義の未成年口座が必要です。ジュニアNISAを使っていた証券会社なら、子どもの口座がすでにあるので手続きは比較的スムーズです。
新しく証券会社を選ぶなら、こどもNISAの予約受付をいち早く始めた松井証券も候補になります。松井証券は投資信託の保有残高に応じてポイントが貯まるサービスがあり、こどもNISAも対象とされています。
なお、ジュニアNISAとこどもNISAを別々の証券会社で持てるかどうかなど、細かい扱いは証券会社ごとに案内が異なることがあります。申込前に、利用する証券会社のよくある質問を確認しておくと安心です。
まとめ
- ジュニアNISAとこどもNISAは併用できる。ジュニアNISAの分はこどもNISAの600万円に含まれない
- ジュニアNISAの資産をこどもNISAへ移すことはできない
- ジュニアNISAは18歳まで非課税で持てて、2024年以降はいつでも非課税で全額払い出せる
- 18歳になるとジュニアNISAは課税口座へ、こどもNISAは大人のNISAへ移る
- 多くの家庭では「ジュニアNISAはそのまま、こどもNISAで新しく積立」がシンプル
ジュニアNISAの買い方や入金方法は、SBI証券でジュニアNISA口座での投資信託の買い方や子供のSBI証券の口座に、子供名義のゆうちょ銀行口座から入金する方法でも紹介しています。
※この記事は2026年10月時点の各証券会社の公開情報をもとにしています。制度の細かい運用は今後変わる可能性があるため、実際に手続きする際は金融庁や各証券会社の最新の案内を確認してください。