以前、「暗号資産のレバレッジ取引を比較!コインチェックはなぜできない?ビットバンク・ビットフライヤーの違いは」という記事で、ビットバンクとビットフライヤーのレバレッジ取引を比較しました。
今回はそこに、当ブログでステーキング・レンディング・積立の比較記事でも取り上げてきたGMOコインを加えて、3社のレバレッジ取引を改めて比較していきます。GMOコインには「暗号資産FX」と「取引所レバレッジ」という2種類のレバレッジ取引サービスがあり、他の2社とは少し違った特徴を持っているので、この機会に整理してお伝えできればと思います。
なお、コインチェックはレバレッジ取引に対応していません。理由は前回の記事でも触れましたが、この記事でも改めて簡単にご説明します。
この記事でわかること
- GMOコイン・ビットバンク・ビットフライヤー、3社のレバレッジ取引の違い
- GMOコインに2種類あるレバレッジ取引サービスの違い
- コインチェックがレバレッジ取引に対応していない理由
- レバレッジ取引を始める前に知っておきたい注意点
コインチェックがレバレッジ取引に対応していない理由
コインチェックは2020年3月13日をもってレバレッジ取引の提供を終了しており、現在は提供していません。
背景にあるのは、2020年5月に施行された改正資金決済法・改正金融商品取引法です。この法改正により、暗号資産のレバレッジ取引を行うには「第一種金融商品取引業」の登録が必要になりました。登録には純資産5,000万円以上、自己資本規制比率120%以上といった要件があり、コインチェックはこの要件を満たす形での再開よりも、現物取引やその他のサービスに注力する道を選んだと考えられます。
そのため、この記事では実際にレバレッジ取引を提供しているGMOコイン・ビットバンク・ビットフライヤーの3社を比較していきます。
3社のレバレッジ取引を比較
まずは3社の特徴をざっくり比較してみましょう。
| 項目 | GMOコイン | ビットバンク | ビットフライヤー |
|---|---|---|---|
| サービス名 | 暗号資産FX/取引所レバレッジ | 信用取引 | bitFlyer Crypto CFD |
| 最大レバレッジ | 2倍 | 2倍 | 2倍 |
| 対応銘柄数 | 暗号資産FX:6銘柄程度/取引所レバレッジ:11銘柄 | 5銘柄(BTC・ETH・XRP・DOGE・SOL) | 主要銘柄中心 |
| 口座開設の審査 | 現物口座があれば大掛かりな追加審査は不要とされる | 収入証明書等を伴う専用審査あり | 本人確認済みならトレードクラスへの切り替えで利用可 |
| ロスカット水準 | ― | 委託保証金率25%(50%で追証) | 証拠金維持率50% |
それぞれもう少し詳しく見ていきます。
GMOコインのレバレッジ取引:暗号資産FXと取引所レバレッジの2本立て
GMOコインの大きな特徴は、レバレッジ取引のサービスが2種類あることです。似た名前で紛らわしいので、それぞれの違いを整理しておきます。
暗号資産FX
「暗号資産FX」は、GMOコインとの相対取引(板情報を見ながらの取引ではなく、GMOコインを相手に注文する方式)で、成行・指値・逆指値に加えてIFDやOCOといった注文方法にも対応しています。両建て(同じ銘柄で買いと売りの両方のポジションを持つこと)ができる一方、自動売買のためのAPIには対応していません。
レバレッジ手数料は建玉ごとに0.04%/日かかり、朝6:00の区切りをまたいでポジションを保有すると発生します。ロスカット手数料は0.5%です。
取引所レバレッジ
「取引所レバレッジ」は、板情報を見ながら注文できる取引所形式のレバレッジ取引です。2024年4月には新たに6銘柄(ポルカドット・コスモス・カルダノ・チェーンリンク・ドージコイン・ソラナ)が追加され、国内最多クラスとなる11銘柄に対応しています。メイカー注文(板に指値を出して約定を待つ注文)を出すとマイナス手数料(実質的な還元)を受け取れる点も特徴です。一方、両建てはできず、自動売買用のAPIには対応しています。
どちらのレバレッジ取引も最大2倍という点は共通です。「幅広い銘柄をじっくり板を見ながら取引したい」なら取引所レバレッジ、「主要銘柄を相対取引でシンプルに取引したい」なら暗号資産FX、という使い分けになりそうです。
ビットバンクの信用取引
ビットバンクの信用取引は、BTC・ETH・XRP・DOGE・SOLの5銘柄に対応しています(DOGEとSOLは2025年4月に追加されました)。レバレッジは最大2倍です。
取引手数料はメイカー-0.02%・テイカー0.12%で、ポジションを翌日以降に持ち越すと建玉金利がかかります。ロスカットの水準は委託保証金率25%で、50%を下回ると追証(追加保証金の差し入れ)が必要になります。
他の2社と大きく違うのは、口座開設に専用の審査があることです。在籍確認書類に加えて、源泉徴収票・所得証明書・確定申告書・直近の給与明細のいずれかといった収入証明書の提出が求められます(売り注文のみを行う場合は収入証明書が不要というルールもあります)。この点は、GMOコインやビットフライヤーに比べてややハードルが高いと言えるでしょう。
ビットフライヤーのbitFlyer Crypto CFD
ビットフライヤーのレバレッジ取引は、かつて「Lightning FX」という名称で提供されていましたが、2024年3月28日に廃止され、現在は「bitFlyer Crypto CFD」というサービスに切り替わっています。取引所名自体(bitFlyer Lightning)に変更はありませんが、サービス名が変わっている点は意外と見落としやすいポイントです。
bitFlyer Crypto CFDでは個人口座の場合、最大2倍までレバレッジを選択できます。取引手数料は無料ですが、ポジションを保有していると「レバレッジポイント」という建玉保有コストが日々発生します(旧サービスでは「スワップポイント」という名称でした)。証拠金維持率が50%を下回るとロスカットが実行されます。
利用には、通常の「ウォレットクラス」から「トレードクラス」へのアップグレードと本人確認が必要ですが、ビットバンクのような収入証明書の提出を伴う専用審査までは求められません。証拠金は日本円のほか、ビットコイン(時価の80%評価)でも差し入れられる点もユニークです。
どれを選べばいいか
初めてレバレッジ取引に挑戦するなら、口座開設のハードルが比較的低いGMOコインかビットフライヤーから検討してみるのがよさそうです。特にすでにGMOコインやビットフライヤーで現物取引の口座を持っている方なら、追加の重い審査なしにレバレッジ取引を試せる可能性があります。
一方、対応銘柄の広さを重視するなら、11銘柄に対応するGMOコインの取引所レバレッジが選択肢になります。BTC・ETH以外のアルトコインでもレバレッジを効かせたいという方には魅力的です。
ビットバンクの信用取引は審査のハードルこそありますが、現物取引の使い勝手に慣れている方であれば、同じ取引所内でレバレッジ取引まで完結できるメリットがあります。
なお、コインチェックとビットバンクの口座開設については「コインチェックとビットバンクを徹底比較!初心者はどっちを選ぶべき?」、ビットフライヤーとビットバンクについては「ビットフライヤーとビットバンク、暗号資産の口座開設はどっちがいい?初心者向けに違いを比較」でそれぞれ詳しく比較していますので、あわせて参考にしてみてください。
レバレッジ取引を始める前の注意点
レバレッジ取引は、少ない資金で大きな金額を取引できる分、価格が予想と反対に動いたときの損失も大きくなります。証拠金維持率がロスカット水準を下回ると強制的に決済されてしまい、想定以上の損失につながることもあります。
また、ポジションを長期間持ち続けると、建玉金利やレバレッジポイントといった保有コストが日々積み重なっていく点にも注意が必要です。短期的な値動きを狙う取引に向いている一方、長期の資産形成を目的とするなら、現物取引や積立、ステーキングといった方法のほうが向いている場合もあります。
暗号資産の積立については「仮想通貨の積立を4社比較!コインチェック・ビットバンク・ビットフライヤー・GMOコインの違いは?」、ステーキングについては「仮想通貨のステーキングを4社比較!コインチェック・ビットバンク・ビットフライヤー・GMOコインの違いは?」で紹介していますので、リスクを抑えて資産を増やしたい方はこちらもぜひご覧ください。
まとめ
GMOコイン・ビットバンク・ビットフライヤーの3社は、いずれも最大2倍というレバレッジ倍率は共通していますが、対応銘柄数や口座開設のハードル、サービスの仕組みには違いがあります。
- GMOコイン:暗号資産FXと取引所レバレッジの2種類があり、対応銘柄数が豊富
- ビットバンク:対応銘柄はBTC・ETH・XRP・DOGE・SOLの5銘柄。口座開設には収入証明書等を伴う審査が必要
- ビットフライヤー:bitFlyer Crypto CFD(旧Lightning FX)として提供。トレードクラスへの切り替えで利用可能
コインチェックは2020年の法改正を受けてレバレッジ取引から撤退しており、現在は提供していません。
レバレッジ取引は仕組みやリスクをしっかり理解したうえで、無理のない範囲で取り組むことをおすすめします。この記事が、取引所選びの参考になればうれしいです。
※本記事の情報は執筆時点のものです。手数料や対応銘柄、サービス内容は変更されることがあるため、実際にお取引される際は必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。